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放送、通信、防災を経て官民連携を考えるひと。

LINE Clova WAVEで寝室の照明を最安値で構築したい

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自宅でスマートスピーカーを色々使ってみてわかったのは、音声認識が便利なのは「犬の散歩の出入りで手がふさがっているとき」と「寝る前」だということでした。

寝る前用に、照明を音声認識で消せるようにしたいのですが、Google HomeAmazon Alexaだと対応機器がそれなりのお値段なので、新居での置き場が未定だったLINE Clova WAVEの赤外線リモコン機能を活用して、最安値で構築することにしました。

 

与件

シーリング引掛コンセントに、間接照明をつけてClovaでコントロールしたい

 

解決法

  • 引掛コンセントに間接照明を最安値でつけたいが、その類の完成品は高いうえにClova対応品がないので、シーリングコンセントからダクトレールコネクタに変換するアダプタを使用する(一社だけこれを出してる)
  • アダプタから、これまた一社だけ出している「ダクトレールと照明機器の間に挟んで、どんな会社のリモコンでも記憶できるリモコンスイッチつきコネクタを使用
  • Clovaに初期設定されてるメーカーのリモコンを記憶させる。リモコンは1つしか覚えられず、トグルスイッチなのでつけるのも消すのも「照明をつけて」がキーワードになってしまうが、それは許容する

 

使った機器

 

ELPA  引掛シーリングダクトプラグ   EW-LR09H

ELPA 引掛シーリングダクトプラグ EW-LR09H

 
ELPA ライティングライト入切アダプタ LR-RCA

ELPA ライティングライト入切アダプタ LR-RCA

 
ヤザワスポットライトショート白E17電球なし Y07LCX100X01WH
 

 

総予算3000円で完成。

Clova側はどのメーカーにしておいても学習させればよいので、設定は簡単です。




バーコード決済のレジUIはもっとスマートにならないのか

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ローソンでLINE Payコード支払いを積極的に使ってるんだけど、店員の対応がすごくこなれているところと、かなりまごつくところに分かれる。
スリーエフからのブランドスイッチ店舗に比べて、従来からローソンの店舗は楽天PAYでかなり慣れてきたというのもありそうだけど、根本的にはたぶんレジの店員側UIが悪い。
各種支払い、みたいなボタンを押すと、ブランドロゴがザーッと並んで、それを選んでからバーコードをスキャン、という流れのようなのだが、客は言葉でブランド指定するのに、店員はロゴから選ばされる(この段階でRマークの楽天とか、🍎マークのApple Payとかは高齢店員や外国人店員にはわかりにくい)。
さらに客側モニタには店員が選択したブランドが確認できない作りになってるっぽい。

そもそもバーコード決済って、バーコードそのものから決済ブランドは特定できないんだろうか。FeliCa端末がマルチリーダーになったときからずっと、客自身にブランド選択させる方針を貫いてるイオン系は、当時はメンドくさいなーと思ったけど、ここにきて正解選んだ感が強まってる気がする。(イオンカードiDでもイオンカードと同等の特典が得られる、っていうのは画面を見せて自己申告しないとやってくれないので、そこは面倒なんだけど)。

理科系の作文技術

モリカケ関連の報道で出てくる「備忘録」やら議事録やらを見ると、役人がいかに文書作成について訓練を受けているか感嘆することが多い(良い文章かはさておき)。一方、サラリーマン、特に文系出身者は、真面目に卒論に取り組んだ人を除いて、絶望的にその機会がない。
それでも日々読み書きしなければならない文書類は無尽蔵に増えていく。対策として弊社は「結論から書け」「事実と意見を分けろ」「悪いことほど迅速に報告せよ」の3つを趣旨とした社訓があるのだけど、まぁ徹底できない。来月新入社員に何か研修をしろということなので、文章作成をテーマにすることにして、予習に名著を読み込むことにした。

 

理科系の作文技術 (中公新書 (624))

理科系の作文技術 (中公新書 (624))

 

古い本だけど(OHPの作り方とかも出てくる)、パソコン仕事術のようなものよりも普遍的な内容なので、個人的にはより望ましいと感じた。議事録、報告書にとどまらず、マニュアルとか、依頼書とか、プレスリリースとか、日々色んな物を書くのだけれど、それらに応用できる内容もあって、人を選ばず勧められそう(すこし例文は理系ばっててとっつきにくいかもしれないが、最近出ているマンガ版は内容が希釈されすぎていると思う。そもそも文章術を学ぼうとする人がなぜ文書を避けなければならんのだ)。

 

余談だけど、なぜ誰もが「事実と意見(感想)を明確に区別した報告書を書けないのか」、ずっと不思議に思っていたのだが理由がわかった。ひとつは本書にも書いてあるように、「事実を記述する訓練」が日本の教育プログラムにないから。もうひとつはその裏返しで、「感想文」や「筆者の考えを述べよ」みたいなものが国語教育の根幹になっていて、とにかく「〜思います」のオンパレードをやりがちな刷り込みがあるから。それが「空気読みすぎ」「忖度しすぎ」な日本人のベースなのか。

大切なことはだいたいコールセンターのアルバイトで学んだ

サークルを途中で抜けたこともあり、大学の頃は結構時間があったのですが、貴重な学生の時間を無意味なアルバイトで浪費したくなかったので、自分なりに色々考えてバイトを選んでいました。

楽天のショップの運営を通常店舗の裏でやるバイトもなかなか経験としてはよかったのですが、一番やってよかったとおもっているのが、某放送会社のコールセンターのバイトでした。これから先、AIにコールセンターの仕事はどんどん置き換えられていくと思うし、いま経験しないと先々同じような経験はバイトではできなくなるのかもしれない。15年近く前の話だけれども、いまバイトを探している学生の参考になったらいいかなと思い、何が役に立ったのか、メモしておきます。

 

(15年前のこととはいえ守秘義務は有効なので、以下適当にぼかして書きます)

 

教育システムが洗練されている

コールセンターのスタッフは、バイトだろうがその企業の顔として顧客に向き合うので、相応の事前研修を行った上で送り込まれます。しかも大規模なコールセンターでは、受託している会社が複数いて、私の入った会社と敵対会社が、あからさまに座席数を増減させられながら同じフロアに座っているようなこともあります。したがって、品質向上のためにも初期研修はかなり力の入ったものになります。

とはいえ研修中も給料は発生するので、あんまり悠長にやっている場合でもなく、座学とロールプレイがコンパクトに10時間ぐらいにまとめられていたと記憶しているのですが、いまやっている事業で新しいメンバーに事前研修をしていてもあんな風に手際よく教えられていないな、と思うことがあるし、よい研修を設計するには、自らよい研修を受けるしかない。いまもう一度あの研修を真面目に受けたら、学ぶことはもっと多いだろうなぁと思う。

 

ナレッジシステムの整備方法を学んだ

サービス系のコールセンターなので、常に状況が変化するし、対応にはイントラネットで最新の情報をチェックしながら迅速正確に回答することが求められる。そのために、「当日業務に入る前にぱっと目を通すべき情報」とか、「この問い合わせを受けたらこれもちょっと見ながら答えろ」みたいなリンクがすごく充実したイントラネットが構築されていくわけです。これに近しいものを目にしたのは、新興IT企業に転職したときに、最初に見た社内WiKiで、あれはどうやらその年の新卒社員が入社時研修で更新作業をすることになっていたらしい。こういうものをセンス良くまとめ上げるのは結構ノウハウが必要だし、いま私のいる会社は「全員が違うことをやっている」会社で、こういうものを整備するモチベーションがなかなか湧きにくい(結果として、引き継ぎの時に苦労するのだけど)ので、今でもああいうものをちゃんと構築しなきゃなぁ、と思い出すことがある。 

 

外国人の問い合わせ対応の課題がリアルにわかる

 扱っている商材の関係で、複数言語のネイティブのオペレーターが常駐していて、外国語サポートデスクが運用されている現場でした。IVRで自動的に適切な言語のオペレーターにつながるのだけど、たまに操作を間違えた人が日本語オペレーターに繋がったりしてくるわけです。日本人オペレーターには外国語で対応することは認められていなくて(当時私は大学で中国語をちらっとかじっていたので使ってみたい気持ちもあったのだけど、会社として適切な対応ができているか保証できる体制にないからそれは仕方ない)、もう少し近くで対応を見てみたいなぁとも思っていたのだけど、終日複数言語のオペレーターを常駐させるというのはコスト的にも結構大変なことで、インバウンドって気軽に言うけど、その対応体制の構築ってすごい大変なんだなぁと当時も思っていました。いまはもっと外国語の問い合わせは増えているだろうし、どういう風に対応しているのか、機会があればもう一度見にいってみたいところ。

 

どんな問い合わせが来そうか、事前予測しながら商品設計できるようになる

会社員になってから何度か、ウェブサイトや説明書に記載する「よくあるご質問」を想像で事前整備したり(そう、始まったばかりのサービスは自分でそれを想像して書くしかない)、有人のコールセンターをBPOで立ち上げるにあたって、事前にFAQを渡すような業務をしたことがあるのだけど、これが本当に複雑な想像力を要するわけです。サービスを作った本人には見えない疑問点って無限にあって、商品を使う前から解約・廃棄までの時間軸、使う人のリテラシーや思い込み、環境の違いなど、複数のパラメータを脳内でいじくりながら、ひねり出して、それを普遍化して出していく。複数人担当者がいればブレストしたり、カスタマージャーニーを描いてみたりしてもいいけど、大抵の場合、ベンチャーの新規事業にそんな悠長な時間はないので、勘でつくるしかない。けど、結局出しきれなくて、問い合わせコストが爆発する。

結局、いろんな問い合わせに晒される体験をすることが、このスキルを伸ばす一番手っ取り早い方法だと思うのです。よいFAQは、サービスの信頼度をぐっと引き上げます。

 

商品ラインを統廃合することの重要性を理解する

私のいたコールセンターは、複数のサービスが合併してできた事業を展開していて、過去のサービスが展開していた契約体系をまだ引きずっている時代でした。しかも現時点のサービスも毎年新しい料金プランとかサービスが増えていて、A3の紙に6ポイントぐらいで印刷された料金表とにらめっこしながら回答するわけです。

私はこういうのを暗記するのが結構好きな方なのでいいのですが、お客さんも自分が何を契約しているのか正確に理解できていないことが多いし、戦略的な商品をリリースしても、過去のサービスとの整合性の調整で、コールセンターにはものすごい対応コストが発生するわけです。

戦略性を損なわないために、ときどきばっさりと旧プランの廃止を行う必要があるわけで、そういうときはコールセンターはクレームと問い合わせの嵐になりかねないわけですが、とにかくこれを怠るとどんどん自分の手足を縛っていくことになるんだな、 と痛感しました。

 

音声で対応しやすい商品企画、について想像力が深まる

 最近のPCのサポートは遠隔操作なんかもあったりしますが、ほとんどのコールセンター業務は電話かメールでやりとりするわけで、これがとにかく難しい。

まず、相手が何を見て話しているのかを把握することが、会話の食い違いを避けるために重要です。ウェブサイトを見ているのか、チラシを見ているのか、情報誌を見ているのか。しかもそれも複数種類あるし、最新のものを見ているとも限らない。

機器の操作を必要とする問い合わせの場合はさらに難しくて、同じ機器がこちらの手元にあるとも限らないし、相手は必ずしも型番などを把握しているわけでもないので、外形的な特徴からなんとなく探ったりするものの、機器の裏側などは見える位置でもないので、手探りで操作してもらうことにもなります。

そうすると、チラシや機器を設計する段階で、資料番号や発行日、情報の有効期限を見やすいところに書いておこう、とか、操作の重要なポイントになるところでは特徴的な色使いや、区別しやすい形を作っておこう、といった工夫をしておくことが重要になります。数字や記号に見分けにくい文字を使わない、などの工夫もとても大事。

散々この対応で苦労したので、私がいま作っているサービスでは、複数のページがあって最終申し込みがあるフォームではボタンを他のボタンと違う色にしたりとか、ヘッダーの色使いをサイトごとに変えておいて、とりあえず「何色のホームページをみていますか?」と尋ねたりするような細工を入れています。

 

つまり、トークスクリプトとはUXそのもの

 こういったノウハウは、電話のコールセンターに限ったものではなくて、たとえばウェブサービスやアプリは、サービスの画面内で完全に説明を尽くしながらユーザー自身に操作をしてもらわなければならないし、最近のアプリは「操作しながら段階的にサービスを自然に理解する」のが常識だし、ユーザーはどんどん「問い合わせる前に諦める」ようになっているから、本来はコールセンター以上の知見を導入しなければならないはずなのです。それを世の中ではUXと呼んでいるのだと思うのですが、どうにもそこまで考えきっているとは思えないサービスがとても多い。

特にO2O系の、リアルとネットが融合するサービスが増える昨今では、現場で発生するオペレーションも強く想定しなければならないし、過去に大規模なO2Oサービスを私がローンチさせていただいたときには、現場オペレーションマニュアルの作成で大変この知見は役に立ちました。日々お客様と向き合っている店舗の方々に安心して施策に取り組んでいただくためには、クレームを受けた時にどんなことが起きるのか、想像するチカラは重要です。

 

さらに、スマートスピーカーの分野でも、このノウハウは役に立っていくのではないかと思います。スムーズなコールセンター対応を、さらに日々使い続けたいと思えるくらいスムーズにしたものがスマートスピーカーの音声インターフェースなわけで、何をどういう順番でやりとりするのが答えやすいか、どこに考える間を用意するか、待たされている感をどう減らしていくか、など、コールセンター分野の人材や知見は、スマートスピーカーやAIと競合するのではなく、発展的に融合していくのではないかと想像しています。

 

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