清竜人25の登場はアイドル論に一石を投じるか
※写真は公式に撮影可能のアナウンスがなされたものです
私はラジオ局の人間ですけど、特定の番組の担当をしているわけではないので滅多にライブのお誘いなど頂かないんですが、なんとなくアニメ・ボカロ・アイドル関連はこいつだろうということで、そのジャンルに限ってお誘いいただくこの頃です。弊社も最近そういう番組、増えましたしね。
で、「清竜人ハーレムフェスタ」という謎のイベントのご招待をいただいたのです。
ハーレム。なんぞおれ。いや、実はイベントの存在は「AKIBANOISE」で告知があったので知っていました。
第76閉店後業務日誌【清竜人25ってナンだ?】 | 妄想科学デパート AKIBANOISE(アキバノイズ)- TOKYO FM 80.0MHz -
清 竜人25/でんぱ組.inc/LinQ/後藤まりこ/Silent Siren
というラインナップ。LinQにはお世話になってますし、前から後藤まりこはライブを観てみたいと思っていたので(女優としての才能も素晴らしいと思いますが)、でんぱ組も観られてお得だなー。と、呑気に(期末のどさくさの仕事を土日に押し込んで…)お台場まで向かったのです。
LinQのはちきれんばかりのステージも、清竜人から楽曲提供を受けているでんぱ組inc.の渾身のヒットメドレーも、後藤まりこが突然観客の上を両手フリーで「歩き」だしたのも衝撃的ですごかった。
しかしその記憶を吹き飛ばさん勢いの「清竜人25」。
一夫多妻制のアイドルグループ「清 竜人25」、本格始動 - 音楽インタビュー : CINRA.NET
いや、事前情報としては理解していたのですが、とにかく「アイドルのセンターでプロデューサー本人が歌って踊る」って、どういうことなんだと。
本人は一言もしゃべらず、MCは"婦人"たちに任せる清竜人。そして2オクターブを完璧に出し切って"婦人"たちと同じキーで歌う!そして地声に戻してラップ!さらに激しいタップを踏みまくる(そんなに踊れるのか清竜人)!かつ、"婦人"たちとひたすら絡みまくる!
それでいて、なぜかいやらしさもない。会場は男6:女4ぐらいで、女性は清竜人ファンなんだろうなぁと思っていたのですが、彼女たちが嫉妬する様子もなければ、男性も男性で、別にアイドルに触んな!という感じでもなく、それをはやし立てる。
とはいえ、清竜人に感情移入するような構造でもないのです。このアイドルと男性の関係性の構造は、見たことがない。
…いや、あえて類似性を見出そうとするなら「涼宮ハルヒの憂鬱」のキョンくんに近いのかもしれない。ときメモ以来ずっとギャルゲーの文法として続いてきた一人称の構造に、変化をもたらしたキョンの存在。一人称ではありつつも、あだ名を与えられ、本名は与えられないけれども、投影対象でありながらキャラとしても自走するキョン。
ん、でも清竜人はめっちゃイケメンで、かつ今回は「アフロ」という異形をイコンとして持ち込んでいるから、没入対象ではないのか…?
とにかく、清竜人25の登場で、果たして既存のゼロ年代アイドル論に更新がもたらされるのか、音楽よりも文化論のほうがどちらかというと専門の私としては、気になって仕方がありません。清竜人25、要注目です。
次回イベントはこれ。
清竜人のアイドルユニット「清 竜人25」デビューシングル&清ソロ名義のベスト盤 - musicニュース : CINRA.NET