FUJII / Blog

放送、通信、防災を経て官民連携を考えるひと。

Flickr Proの解約返金キャンペーンで9ドルの受け取りに失敗している件→解決

Flickrが無料アカウントのストレージを1TBにした*1ことで、Proユーザーだけれどもそんなにヘビーに使っていなかった僕はProの更新をやめて、残りの期間分の返金(約9ドル)を受けることにしたんだけど、手続きが全然うまくいっていないことに先日気づいたので、同じ状況にいる人のためにメモ。

経緯

  • Flickrから返金キャンペーンの連絡が来る
  • 5月、Flickr Proの自動更新*2を放棄し、返金を受ける旨、Flickrのサイトで登録した
  • 返金用のバウチャーがメールで届いたので、Flickrの指示に従い、Yahoo! Wallet (US)のページでバウチャーと、自分のPayPalアカウントを登録。完了したので少し経つとPayPalに振り込まれるよ、と表示された。おしまい。

の、はずが、PayPalにいくら待っても入金がない。PayPalは僕は日常まったく使わないので、クレジットカードの有効化ができていないのが原因だろうと思い、カードの認証プロセス(PayPalに200円を支払って、カード会社の請求明細に記載されたパスワードをPayPalのサイトで入力する)をしたんだけど、それでも何も起きない。

よく読んだら、PayPalでは「支払い」ではなく「受け取り」を日本でしようとする人は、本人認証プロセスも済ませなければならないことに、去年からなっているらしい。というわけで、今度は運転免許証の写真をPayPalに送って、いまPayPalから郵送で認証トークンが届くのを待っているところ。このプロセスの途中、マンションの名前の表記が微妙に違う、というツッコミがPayPalからご丁寧に日本語のメールと日本からの電話であったので、PayPalは日本市場ですごく丁寧な仕事をしているな、とちょっと感心した。すごいコストかかってると思う。

が、肝心のFlickrからの返金バウチャーはすでに「使用済み」になってしまっているので、今度はFlickrのメール問い合わせフォームから状況を説明したところ(これは英文)、Yahoo! (US)からヒアリングのメールが届き、詳細送ったのですが、「エンジニアが解決策を模索しているが目処が経っていない、そういう状況が発生するというレポートをもらったのは非常に有り難く、頑張ってます」みたいなメールが届いて今に至る。

根本的な問題は、PayPalのアカウントが資金の「受け取り」が可能なアカウント状況にあるかどうか、Yahoo! WalletとAPI通信の過程で認証できていないことにありそうです。

まとめ

  • PayPalは日本の資金決済法にあわせて独自仕様を設けたのだと思うので、グローバルサービスではこういった問題はときどき起きそう。PayPalでの決済を実装している方は、注意してください。
  • Flickr Proの返金手続きをこれからされる方は、この機会にPayPalアカウントを「資金の受け取りが可能な」状態にするために、カードの認証と住所認証の両方を済ませてから手続きをしてください。両方の手続きを完了させるには、カードの明細が郵送でしか受け取れない方の場合、最長で1ヶ月以上必要です。
  • ぼくと同じ状況に陥っていて、返金バウチャーが無効になってしまった方は、Flickrのメール問い合わせフォームからとりあえずクレームを送ってください。

進捗があればまた追記します。また、Yahoo! (US)との英文でのやりとりがしんどい、という方がいらっしゃれば、僕がサポートに送ったメールをシェアしますのでコメントください。

追記

Yahoo! USから、他のユーザーからも同様の報告があったことと、48時間以内に進捗を報告する旨連絡がありました。どなたかレポートを出してくださったのでしょうか、ありがとうございます。(6/3014:00追記)

追記2

Yahoo!からはその後二度に渡り、進捗がないことについて侘びのメールがきましたが、先ほど唐突に、PayPalから入金通知がありました。Yahoo!側で強制的に再入金を処理してくれたようです。
(7/9 2:00追記)

*1:http://news.mynavi.jp/news/2013/05/21/052/index.html

*2:希望する既存ユーザーに限ってProは使い続けられる

地元の印刷屋さんで活版印刷の名刺を作った

旅行に行く時には必ず、連絡先を気軽に交換できるように個人名刺を持っていくのですが、プリンタを持っていないのでいつも、ハンコでその場しのぎの名刺を作っていました。

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Shiny Handy Stamp S-773というスタンプなんですが、e-mailとかFacebookとかのスタンプも用意されていて、自分で組んで押せるタイプです。便利だし可愛いんですが、大量に作るのには向きません。あと、小文字がない。

というわけで、思い立って検索してみたところ、自宅から徒歩圏に、今も活字を組んで活版印刷をやってくれる印刷屋さんがあることに気づきました。

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http://www.hiratainsatsu.com/
平田印刷
〒154-0002 東京都目黒区鷹番3-20-2
TEL: 03-3714-0641 FAX: 03-3714-0943


日本

思い切って玄関をあけると、ちいさな事務所に柔和な感じのおじちゃんとおばちゃん、息子さんがいらっしゃいます。(恥ずかしがって顔は撮らせてもらえませんでした)

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お茶を出してくれて、「いやぁ、たぶん来週までは営業してると思いますけど、いつ潰れるかわからないからね!」と笑いながら、さくさくと要望を聞いてくれました。

いま持っている名刺を見せながら意図を伝えると、じゃぁとりあえず組んでみますね、あっさりとオーダー終了。校正は3日後ぐらい、校了してから印刷が上がるまで中一日といったところ。
100枚5000円、200枚目以降は3500円/100枚だそうです。

仕上がりがこちら。

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※一部レタッチして個人情報消しています
活版らしい綺麗な書体に、少し押した感じの風合いが素敵です。
紙の持ち込みもOKだそう。ぼくはシンプルな名刺が好きなので今回は活字だけで組んでもらいましたが、樹脂板を作ることで、ロゴや記号なども対応できるそうです。Illustratorで入稿して樹脂板に起こしてもらって印刷、という案件も多いそう。

実は某有名人もオーダーしている(作業中の紙の中に見つけてしまいました)、平田印刷。
気軽にお願いできるので、平日の昼間しかやってませんが、ぜひ一度お店を訪ねてみて、おじちゃんと話をしてみてもらえると、とりこになると思います。今度は年賀状もオーダーしてみようかな。

フィリピンでマンガ買い込んできた

海外に行く度に現地の本屋でマンガを買い込んでくるのですが、今回は初めてフィリピンに行ったので、セブで買ったマンガを自分のメモを兼ねて記録しておきます。
※本業は広告プランナーですが、学生時代はアジア地域のマンガ産業を研究していました。日本マンガ学会の購読会員も継続しています。

購入場所はAyala Shopping MallのNATIONAL BOOKSTORE。
http://www.nationalbookstore.com.ph/
セブでは一番大きい書店のはず。半分が文具、半分が書店で、英語の輸入書籍と現地書籍が半々といった印象。
現地の子たちは結構日本のマンガを知ってるのだけど、実際に売られているものはかなり限られているので、おそらく(合法なものかわからないけど)デジタルで読んでるのかなぁ。マンガはすべてシュリンクされていて立ち読みはできず、小学生から中学生ぐらいが手にとっている印象でした。

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タガログ語版「ドラえもんISSN 1908-3726  価格:60ペソ
版元:J LINE COMICS AND MARKETING 国際出版権エージェント:鹿島国際著作権事務所(Kashima Agency)
左開き、英語版をベースに書き文字は英語のまま。吹き出し内だけアメコミと同じフォントでタガログ語に置き換え。16話190ページ。製本、髪質はペーパーバックに近い感じ。

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英語/タガログ語版「ドラえもんISSN 2243-8092 価格:120ペソ
版元:J LINE COMICS AND MARKETING 国際出版権エージェント:鹿島国際著作権事務所(Kashima Agency)
左開き。こちらは日本で売っている英語学習用のドラえもんを元データに作成されている様子。コマの間隔を広げて、吹き出しの中は英語(教科書っぽいセリフ体)、コマの隙間にタガログ語を併記するスタイル(そのスペースを取るために特殊判型になってる)。フィリピン人の英語学習用に売ってるのかもしれない。


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ついでにコナンも買ってみました。こちらもJ LINE COMICSが版元で、2012年発行。75ペソ。英語版をベースにタガログ語訳したもの。

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BLACK INK SHORT CUTS 4 Another Beauty and the Beast ISSN 2244-2642 価格:69.75ペソ
版元:Precious Pages Corporation 2012年
https://www.facebook.com/pages/BLACK-INK-Comics/433825843352052
Facebookページで少し作品が読めます。

3アーティストによるアンソロジー。63ページ。
「白黒マンガ」というカテゴリが本屋に用意されていて、そこに並べられていた作品。BDっぽい比較的アーティスティックな雰囲気。
沢山売れる感じのものではないと思うけど、しっかりこういう作品を出していく出版社ができているのは素敵。

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LOVE in the BAG vol.1 ISBN 978-971-94036-0-9 価格:388ペソ
241ページ、英語、全編白黒日本風。13ページ描きおろし、と書いてあるので多分連載マンガの単行本。2008年から2回重版がかかっており3版。高校学園モノラブコメ。
Studio Studioというマンガ制作集団(プロフィールをみるに全員フィリピン人男性っぽい)がアメリカのスタジオ方式みたいな感じで制作(著者紹介で実写の写真が載っているのはちょっと不思議)。13歳以上推奨の表記あり。
https://www.facebook.com/loveisinthebag
コマ割りや画風はあずまんが大王っぽいかも。ただしオノマトペはほとんど使われていない。主人公の男性がバスケ部で、バスケのシーンだけ某バスケマンガを研究したと思われる表現が出てくる。フィリピンなので学園モノとはいえ冬服がなく、季節感がないので時間進行がよくわからない。水着シーンが必然的に多め。

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manga Jam
A5サイズ76ページ程度のフルカラー雑誌。 Yonzon Entertainment Syndicate Inc. 価格:90ペソ
ISBN、といいつつ8桁のISSNっぽい番号が書いてあり、書籍扱いなのか雑誌扱いなのかはよくわからない。
定期購読推奨っぽい。小学生〜中学生ぐらいと思われる読者がいっぱい載ってる。Yonzonという苗字のひとがマンガ家、発行人、マーケティング担当で3人いるので、おそらく家族経営なのだと思われる。
http://www.mangocomics.com/jam
数本の連載マンガはアメコミ風の画風だけどコマ割りは日本式。表2にエプソンの広告が入ってる。


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OtakuZine
http://www.facebook.com/otakuzineanimemangazine
http://www.otakuzine-mag.com
発行元:PSICOM Publishing Inc. 95〜100ペソ
雑誌扱い。A5フルカラー、A4サイズの増刊号など精力的なラインナップ。アニメージュのフィリピン版みたいな内容。ポスターが付録でついていたり、おそらくグラビア印刷されたアニメ絵が欲しいというニーズに応えている、生粋のアニメオタク向けな雑誌。
内容は徹底的に新作アニメのレビュー。日本でもこんなに充実したレビューあるか?というほど、(日本で)放送中のアニメがほぼ網羅されている。シュタゲの特集では「OVAでは鳳凰院凶真の変な英語が見どころ」とか細かいことが書いてあるので、おそらく全部観て書いてる感じ。しっかり権利元から素材を借りているようで、クレジットもしっかり入ってる。途中に「OtakuZineを全号もってる読者からのコレクション自慢写真」のページがあるところが微笑ましい(たぶん高校生ぐらいっぽい子が写ってる)。表2、表3は日清食品のインスタント焼きそばの広告。
10人ぐらいで編集してるようなので、相当頑張ってるなぁという印象。途中すこし紹介されているマンガは英語版の素材を使っているけど、アニメの解説では日本語声優名まで書いてあるので、読者は日本語に関心があるんだろうなぁと思われる。広告の入っていない表4に「日本語を勉強しよう」みたいな記載あり。


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new moon vol.1 Stephenie Meyer 599ペソ(19.99 US$)
なぜか平積みになっていた、アメリカ発行のコミック単行本。白黒かとおもいきやわざわざ全ページカラー印刷されていて、時々唐突に色が使われている、というかなり珍しい作り。アーティスティックな感じのアメコミ。
どうしてフィリピンで人気が出たのかしら。上製本でかなりずっしりしています。だれかこの作者に詳しい方、詳細教えてください。

まだ全部読んでませんが、とりあえず、書誌情報を中心にメモでした。
小学館は相変わらずアジアでの版権ビジネス頑張ってるなぁ、という印象。ディズニー映画のDVDですら300円ぐらいで(正規品らしきものが)売られている国なので利益を出すのは大変そうですが、英語かタガログ語か、どちらで出すかで対象年齢とマーケットがちょっと変わる難しい国なので、多言語エリアへの進出の試金石として頑張っていただきたいです。

2012年のふりかえりと2013年

http://distilleryimage7.s3.amazonaws.com/db33516e475111e284fa22000a1f9c87_7.jpg

あけましておめでとうございます。藤井です。
年2回更新ぐらいで推移してしまっていますが、今年もまとまった文章を思い出した頃に書きたいと思いますので、よろしくお願い致します。

2012年前半は、新たな職場で引き続きソーシャルラジオやソーシャル×放送施策について頑張りました。広告賞を頂く機会にもあずかり、故郷のラジオ局にも少しは恩返しができたかと、ほっとしています。
2012年後半に頑張っていたO2O施策については、技術評論社さんに起稿させていただく機会をいただいたので、そちらをご参照いただければと思います。

個人的にはイベントやSPツールの制作経験も細々と前職/前々職にあったので、それをつぎはぎしながらなんとかこしらえた企画でしたが、記事の公開後、「入店」は店員が使う言葉でお客様は「来店」が正しい、など、小売業の知識が私にまだまだ足りないことを痛感するご指摘もいただいています。一営業マンの観点から、状況を俯瞰できるような記事をと思い執筆しましたが、ご指摘をもとに、さらに業界全体でナレッジの共有がどうしたらスムースに進むか、考えていければと思っています。

私個人として今後やっていく方向性も、なんとなく見えてきたような気がします。放送、イベント、店舗、SNS、いろいろなことに関わらせていただいていますが、結局、直接お客様とコミュニケーションをとる喜びを、もっとたくさんの人たちと分かち合いたいのだなぁというところに行き着いたのが2012年でした。今年はそれをどんな方法で実現すれば一層新しい価値を世の中にご提供できるのか、まだまだ見えないことも多いですが、トライしていきます。

見た目に反して若輩者です、と言い続けて来ましたが、いよいよ今年は30代に突入します。仕事もプライベートもそろそろ一定の形をつけなければなりませんが、どちらもまだまだ精進が足りないようです…